ETCXの導入効果等について
(利用状況、利用者アンケート結果、今後の対応(改善)等)
静岡県道路公社では、お客様の利便性向上や新型コロナウイルス感染拡大防止等への対応を図るため、伊豆中央道・修善寺道路において、「事前登録型キャッシュレス決済サービス『ETCX』」を導入し、令和3年7月1日から運用を開始しています。
このETCXは、ETC技術の活用により駐車場やドライブスルーなどでの決済を行う、会員登録制の新たなサービスであり、この伊豆中央道・修善寺道路が全国で初めての本格運用となるものです。(※高速道路のETCとは異なるシステムです。)
運用開始から約5か月が経過し、多くの方に満足してご利用いただいている一方で、一部では、システムや運用の不備等によりスムーズな料金所通過ができない事象も発生しており、ご迷惑をおかけしているお客様にはお詫び申し上げます。
今回、利用者の皆様にご回答いただいたアンケート結果(※10月下旬実施)も踏まえ、ETCXの利用状況や導入効果、今後の対応(改善)等を取りまとめましたので、お客様のご参考にしていただければと存じます。
当社及びETCソリューションズ(株)をはじめとする関係者一同、ETCXがお客様により満足してご利用いただけるものとなるよう、改善に努めてまいりますので、引き続き、ご理解とご協力をお願いいたします。
①登録状況
・R3.10月末時点の登録者数は8,726人であり、7月以降、毎月千人強のペースで増加しています。
・居住地別では、静岡県内57%、東京都14%、神奈川県15%、その他14%となっています。
②利用状況
・全登録者数の約6割に当たる5,206人の方が、伊豆中央道・修善寺道路でETCXを利用しており、1人当たりの平均利用回数は13.0回です。
・R3.10月の利用台数は延べ20,942台、全通行台数に占める割合は2.7%であり、毎月増加傾向にあります。
ビデオ画像を用いて、料金ブース前後区間(約7m)の通過に要する時間を、料金支払方法別(ETCX、回数券、現金(釣無/有))で計測・比較しました。(※調査日:令和3年9月28日(火)のうち4時間、調査場所:江間料金所(上下線各1レーン)、調査対象車両:合計938台)
①軽・普通車
・ETCX車両の平均通過時間は6.1秒であり、回数券車両3.7秒よりは遅かったものの、現金(釣り無)車両5.9秒とほぼ同程度であり、現金(釣り有)車両11.3秒よりは速いという結果でした。
・なお、料金ブースでしっかり一時停止をした場合の、現金(釣り無)車両の通過時間の目安は6~7秒程度です。(※本来、料金ブースでは全てのお客様に一時停止をお願いしているところであります。)
・一方、ETCXで再通信処理が発生したケースが4台(通過時間21~44秒)、ETCXが反応しなかったケースが3台確認されました。
②二輪車
・調査画像中でETCX利用の方は確認できませんでしたが、回数券車両8秒、現金車両30秒程度の平均通過時間であることから、ETCXをご利用いただくことで大幅な時間短縮(⇒軽・普通車ETCX車両並みの通過時間(6.1秒)程度)が見込まれると考えております。
令和3年10月18日(月)~10月24日(日)の1週間で実施したWEBアンケートには、全登録会員の約3割に当たる2,495名の方からご回答をいただきました。多くの皆様から貴重なご意見をいただきましたこと、改めてお礼申し上げます。
・最も多かったのは「小銭の用意が不要」(回答者の79%)でした。
・「非接触での料金支払い」、「スピーディーな料金所通過」を選択された方は、それぞれ回答者の5割程度でした。
・平均的利用回数が月1回以上の方を対象に集計したところ、22%の方から「増えた」との回答をいただきました。
・もともと高頻度利用(週1回以上利用)の方が、さらにご利用回数を増加していただいている傾向が伺えます。
・1回以上ETCXを利用された方1,886名に対し、「①大いに満足」、「②満足」、「③どちらかといえば満足」、「④普通」を選んでいただいた方は合計で63%でした。
・「⑤どちらかといえば不満」、「⑥不満」、「⑦大いに不満」を選択した700名の方を対象に不満と感じる理由を分析したところ、「時間的なメリットがない」、「レーン運用に不満」、「反応が遅い・悪い」、「認証・決済に時間がかかる」といったものが多く見られました。
・また、利用に満足されている方においても、改善点として「通過時間短縮」、「レーン運用」、「確実な反応、反応速度向上」を挙げている方が多くいらっしゃいました。
・特に、ETCXの「反応が遅い・悪い」ことは他の多くの不満の原因にもなっており、対策が必要であると考えています。
資料4-2(③2不満と感じる理由、改善点)PDF:310KB
④他のETCX導入希望箇所
・「他の有料道路への導入」、「有料駐車場での料金支払い」を選択している方が、ともに約6割でした。
・具体的な道路名としては、当社が管理する伊豆スカイライン、箱根スカイラインの他、関東⇔伊豆方面のアクセス道路で現在有料(現金払い)となっている道路等が多く挙げられていました。
・今回のアンケートにご回答いただいた2,495名の方の居住地域、年齢、主な利用目的、平均的な利用回数、ETCX登録時期、ETCX利用回数は、ご参考まで別添のとおりです。
利用者の皆様からいただいたご意見や今回の分析結果などを踏まえ、今後、以下の対策を検討・実施してまいります。皆様のご理解・ご協力をよろしくお願いいたします。
≪短期的対策≫
○ETCX専用レーンの設置、発信制御装置(開閉バー)の設置(※江間料金所のみ)
○レーン運用に合わせた案内・交通誘導標示(看板等)の見直し
○料金所徴収員の教育充実、利用者への対応改善
○ETCX広報の強化
≪短中期的対策≫
○ETCX反応の改善(確実性の向上、反応時間の短縮)